夢だった一次産業で働きたいと、就農・移住を決断
秀嶋 涼平さん・絵里さん
出身:神奈川県横浜市(涼平さん)
就農年月:2022年5月
栽培している農作物:夏秋トマト(麗月)
現在の圃場規模:21.8アール
写真:左 絵里さん・右 涼平さん
インタビュー
Interview
下呂市の手厚い支援と人の温かさに魅了
私は子どもの頃から、農業や漁業などの一次産業に憧れを抱いていましたが、自分は一次産業で生活していくのは難しいかもしれないと思い、大学卒業後、医療系の仕事に就きました。しかし、30歳になる頃、「本当にこの仕事でいいのだろうか」と悩むようになり、ずっと夢だった一次産業にチャレンジした方が、イキイキと生きていけるかもしれないと思い、職場を退職。その後、一次産業について調べる中で、無利子の融資制度など、他の業種に比べ新規就業に対する支援が充実している農業に可能性を感じ、就農しました。
就農場所にこだわりはなく、新規就農者の受け入れ体制が整った所で農業を始めたいと考えた私は、就農を希望する人を対象にしたイベントに参加しました。様々な自治体の話しを聞く中で、地域の農家で研修ができ、多くの先輩就農者も輩出している下呂市に惹かれました。その後、2週間ほど現地を見学に行き、その土地柄や農業に関わる人達の温かい雰囲気など、下呂市の魅力を実感し、移住して就農することを決意しました。
先生・先輩・妻との出会いに支えられて就農
研修先では1からトマト栽培を教えてもらえただけでなく、先輩就農者との交流の場を作ってもらったり、就農するハウスを建てる時には、先生(研修先の農家)が毎日手伝いに来てくれたりと、多くのサポートを受けることができました。今も分からないことを聞くと、先生が親身になって相談にのってくれたり、同じ新規就農者と意見交換ができたりするので、とても心強く思っています。
現在は、私と同じ研修先に見学に来ていた妻と出会い、2024年2月に結婚。新規就農者の圃場が3軒並ぶエリアの土地を借り、妻と2人で夏秋トマト栽培を行っています。研修で一通り栽培を学んだとはいえ、新しい圃場は土の性質も全く違うので、肥料や水の量などはまだまだ手探りです。それでも、まずは教わった基本の作業を着実に行うことを大切にして、日々の作業に向き合った結果、まずまずの収穫量を得ることができました。
この地域のトマトは、「飛騨トマト」としてのブランドが確立されており、農協に持って行けば、箱詰めをして「飛騨トマト」として出荷してもらうことができます。研修だけでなく、こうした販売の仕組みが整っている点でも、下呂市を選んで良かったと思っています。
人もトマトも健康を維持することが目標
トマト栽培において、最も気を付けているのは病気への対策です。私は、医療関係の仕事をしていた経験を活かして、衛生管理には特に気を付けています。たとえば、圃場に入る時の消毒を徹底したり、管理作業を一定時間行ったら、使い捨て手袋をこまめに替えて手を消毒したりと、できるだけトマトに病原菌を寄せつけないようにしています。病気が広まると、ハウス1棟分が全て枯れてしまうこともあるので、これからも圃場を清潔に保つよう心掛けていきたいです。
今は、2本仕立てなど新たな栽培方法も試み、毎年同じくらいの収穫量を保っています。私のモットーは「体が資本」です。近年は、この地域も夏の暑さが厳しくなっているので、体調を崩してしまうことが一番のリスクだと思っています。農業は、自分で働き方を調整できることがメリットの1つです。無理して規模を増やすのではなく、夫婦2人で長く続けていける規模を維持していくことが目標です。
自分で休暇を決めて外出!
自分で休みを決めて、お互いの実家がある神奈川や福岡へ行ったり、研修先の先生と県外へ出かけたりしています。時には仕事を早めに切り上げて、ファーストフードを食べに行くのも、いい息抜きになっています。