地域に根づいた農事組合法人で故郷の農業を守る
今井早穂さん
出身:岐阜県中津川市
就農年月:2017年4月
栽培している農作物:米、大豆
雇用先の圃場規模:米約8,290アール、大豆約1,460アール
インタビュー
Interview
東濃での就農を希望し、農事組合法人に就職
私は高校時代、農業を楽しむテレビ番組を見て、土に触れながら大勢で協力し合う作業に心惹かれました。母も農業高校出身だったこともあり、私も地元の農業高校へ進学。園芸を学ぶ学科で野菜づくりを学びました。高校では、無農薬のきゅうり栽培を体験。カビが蔓延したりシカなどの獣害にあったりと、さまざまなトラブルがありましたが、大変な中におもしろさを感じました。
その後も、もっと農業を学びたいと岐阜県農業大学校に進学し、高校に続いてきゅうり栽培を選択して、栽培方法などを追求。卒業時には、やはりふるさとである東濃地域で就農したいと考え、中津川市にある農事組合法人あびろみに就職しました。
先輩について一年を通した作業の流れを把握
農事組合法人あびろみでは、地域の農家さんから作業を受託し、主に米を栽培しています。春には、田植えの前に行う耕起(田起こし)、夏は除草剤や殺虫剤の散布、秋には稲刈りなど、農家さんの依頼に応じて必要な作業に従事。受託している圃場では、地主さんの希望を聞きながら、「こしひかり」や「ひとめぼれ」、「あきたこまち」などを栽培し、法人で自己管理している圃場では、中津川市蛭川地区で昔から祭事などで使用される伝統米「きねふりもち(もち米)」や、牛の飼料米なども栽培しています。
私は米栽培の経験がないため、まずは、田植えをする際に苗を軽トラックに積み、必要な圃場に運ぶなど、オペレーターのお手伝いからスタートし、季節ごとの仕事を1つずつ覚えていますが、米の栽培は品種によって農薬の量や散布する時期、水を落とす時期などが異なり、長年の経験に培われた勘が必要。まだまだ分からないことばかりですが、先輩について指導を受けながら、一連の流れを学ぶ毎日です。
作業は大変な時もありますが、毎日外に出て自然を感じながら働ける楽しさや心地よさは、他の仕事にはない魅力だと思っています。苦労した結果、収穫量が増えた時には、やはりやりがいを感じます。前年に失敗した圃場も工夫を重ね、いい結果を出すことができた時の喜びは大きく、この仕事をしていてよかったと思う瞬間の1つです。
世代交代に向けて、若手が新たなチャレンジにも着手
現在は、少しずつ機械の運転にも慣れ、今年の冬にはトラクターでの田起こしを任せてもらえることになりました。近年は先輩方も高齢化が進み、少しずつ世代交代も進んでいます。同様に、地域の農家も高齢で作業が困難になり、私たちの法人に圃場を預ける人が増えているので、少しでも地域の農業を守ることに貢献できるよう頑張りたいです。
最近は、作業の効率化を目指して、新たな試みにも着手しています。たとえば、作付けのスケジュール管理や圃場登録ができるアプリを導入。受託している圃場は飛び地になっていて、栽培している品種も異なる場合があるため、アプリで場所や植えた品種を確認できるようになり、とても便利になりました。若い世代を中心に、新たな機器や技術を取り入れることで、働きやすさの向上にも努めていきたいと思います。
休日がしっかりあるのが法人の魅力!
4月~6月の田植え時期や収穫がピークを迎える8月~9月は、作業に追われて雨の日以外は休日を取ることが難しくなりますが、それ以外の時期は基本的に土日祝日がお休みで、有休もあります。休みの日は、買い物に行ったり好きなゲームをしたりして、しっかりリフレッシュしているので、体力的な負担もそれほど感じることなく、仕事が続けられています。