独立ポット耕栽培と出逢い、農業のイメージが一新

北方町 トマト 独立自営就農

安藤一成さん

出身:岐阜県本巣郡北方町
就農年月:2017年8月
栽培している農作物:大玉トマト(りんか)、中玉トマト(フルティカ、シンディオレンジ)
現在の圃場規模:24アール

インタビュー

Interview

マニュアル化された栽培方法に惹かれ、農業に転職

 私は以前、会社員として働いていましたが、転職を考え始めた際、岐阜県就農支援センターで冬春トマトの栽培を学んで就農した方が実家の近くにいることを知り、ハウスを見学させてもらうことにしました。その時に見たのが、現在行っている独立ポット耕栽培システム。工場のようにしっかりと管理された環境を見て、それまで抱いていた農業のイメージとはまったく違うと、衝撃を受けたのを覚えています。

「これなら挑戦してみたい!」と思った私は、すぐに岐阜県就農支援センターの研修に参加。ここで学んだ独立ポット耕栽培は、栽培方法もマニュアル化されているため栽培がしやすく、これまでにも私と同じように初心者から就農を果たした卒業生も多くいたため、不安を感じることはありませんでした。研修中は、担当するハウスで苗植えから栽培管理まですべてを体験できたほか、病害虫のことや農業経営の方法を学ぶ座学もあるなど、手厚いサポートを受けることができました。

継続する難しさの先に、喜びとやりがいがある

研修後、父や近所の方から土地を借りて就農しましたが、初めて1人で挑むトマト栽培は、研修時のようにうまくはいきませんでした。毎年、天候が変わったり異なる病気に見舞われたりと、マニュアルがあっても同じようにできず、5年目の今でも試行錯誤の繰り返しです。

栽培し続けることの難しさを感じる毎日ですが、トマトは手をかけた分、結果が返ってくるため、作業にはやりがいを感じています。自分で工夫を重ねて、目標にしている収量を達成できた時や、自分の作ったトマトを食べた人から「おいしい」と言ってもらえた時の喜びが、次へのモチベーションにつながっています。

地域とのつながりを重視し、直売にもチャレンジ

数年前から大玉トマトの単価が下がってきたこともあり、新しい試みをしようと昨年からは中玉トマトの栽培もスタートし、直売にもチャレンジし始めました。近隣のお店に置いてもらったところ、徐々に注文が増えてきたり、SNSで情報発信をしたら直接「購入したい」と連絡があったりと、口コミで購入者が広がっています。

 また2020年には、地域のトマト部会長の勧めで、近隣のトマト農家とともにJGAP認証を取得。直売を強化するためには、ブランド力の向上も大切なポイントとなるため、第三者機関に安心・安全な農作物であることを証明してもらえたことは、大きな意味があると感じています。私は常々、「人と地域をつなぐ農業」を念頭に置いて仕事をしています。地元で営んでいる農家だからこそ、今後も直売などを通じて地域とつながり、地域の人に還元できる農業を目指していきたいです。

OFF TIME 

自分のペースで仕事と家庭を両立!

 トマト栽培は、日が暮れると作業ができなくなるため、早く帰宅して家族の時間を持つことができています。そのほかにも、土日は早く帰宅するようにしたり、収穫シーズンが終わって新たな苗を植えるまでの1カ月間は夏休みを設けたりと、自分のペースで休みを取ってリフレッシュしています。