子どもとの時間を大切にしたいと、子育て中に農業の道へ

大野町 いちご 独立自営就農

松永 真由美さん

出身:岐阜県瑞穂市
就農年月:2016年9月
栽培している農作物:いちご(美濃娘)
現在の圃場規模:28アール

インタビュー

Interview

育児との両立を目指して、自分でできる農業を選択

私は、まだ子どもが小さい頃、就職すると子どもが体調を崩した時などに休みにくいと思い、自分でできる仕事はないだろうかと考えるようになりました。ちょうどその頃、偶然いちご狩りができる場所をインターネットで探していた時に、就農していちご農家になった方の情報を目にする機会がありました。私は以前、花屋で働いていた経験があり、植物を育てるのが好きだったため、農業に興味を持ち始めました。

 就農に向けて、まずは地元の農林事務所へ相談したところ、研修をさせてもらえる近隣のいちご農家を紹介してくれることになり、さっそくそこで2年間、いちご栽培を教えてもらうことにしました。研修中に実際の作業を行っている時、いちご農家の仕事は細かな作業が多く、女性に向いているかもしれないと感じ、本格的に就農を決意。土地も研修先の農家さんが、知り合いで土地を貸してくれる人に話をしてくれたので、子どもが小学校に上がったのを機に就農しました。

「買いたい」「おいしい」と思ってもらえるいちごを目指して

就農してからは、1年目は虫害に見舞われたり、2年目はうどんこ病という病気にかかったりと、気候によって毎年様子が変わるいちごに四苦八苦しました。それは現在も変わることがなく、研修先の農家さんに相談しながら、消毒に加えて害虫であるアブラムシやダニを食べてくれる虫を活用するなど、常によりよい栽培方法を模索しています。

日々の作業に関しては、重たいものなどを持つこともなく、土耕と違って土を触ることもないので、女性の私でも体の負担を感じることなく作業ができています。また安定的に収量を確保できるように栽培することに加え、最もこだわっているのがいちごのパック詰め。自分も「購入したい」と思うようないちごを目指して、詰めた時の見た目の美しさを大切にしています。消費者の方はもちろんのこと、自分の子どもが「おいしい」と言って食べてくれるのを見ると、大きなやりがいを感じます。

家族や女性スタッフと一緒に、仕事も育児も楽しむ毎日

就農時は15アールの圃場からスタートしたいちご栽培ですが、3年目にハウスを倍に増やし、現在は28アールで栽培をしています。今働いているのは、自分と妹、そしてパート従業員1名の3名。3人とも子育て中なので、朝は子どもを送り出した後しか圃場へ向かうことができません。そこで、収穫の多い時期はシルバー人材センターに依頼して、朝の収穫をしてもらったり、子どもの行事などで休む時はお互いに配慮したりと、工夫を凝らしています。

 11月下旬くらいからいちごの実がなり出し、収穫で多忙な時期になると、休みが取りづらくなりますが、毎日の作業は8時~16時30分の出荷までなので、家事と仕事の両立については外へ働きに出るのと同じ感覚です。しかし、忙しい時は子どもをハウスに連れて行くこともでき、休みも自分で作業をコントロールして自由にとることができるので、家事や育児と両立しやすい仕事だと感じています。休日には、夫が子どもの世話をしてくれ、子どもと一緒に出荷用の箱づくりを手伝ってくれるなど、私の仕事に対する家族の理解もあり、助かっています。これからも家庭とうまく両立しながら、農業を続けていきたいです。

OFF TIME

夏休みを子どもと一緒に過ごせるのがメリット

いちごは収穫がスタートすると、半年ほどの間、休みを取ることが難しくなりますが、収穫が終わって片付けも済む7月から、次の苗植えをする8月下旬までは、オフシーズン。ちょうど子どもの夏休みと同じ時期なので、その点でも育児との両立しやすさを感じています。