新たなトマト栽培を求めて、土耕+養液栽培に挑戦

海津市 トマト 親元就農

福島 紳太郎さん

出身:岐阜県海津市
就農年月:2018年8月
栽培している農作物:トマト(りんか409)
現在の圃場規模:40アール

インタビュー

Interview

岐阜県就農支援センターで得た、新しい技術と大切な仲間

私は、実家が土耕でトマトを栽培する農家だったため、いずれ家業を継ぐことを考え、大学で植物生理学や遺伝子組み換えなどのバイオテクノロジーを学びました。その後、5年間JAに勤めながら休日に両親を手伝い、結婚を機に就農を決意。「やるからには、新しいことに取り組みたい!」と思い、養液を使ったトマトの独立ポット耕栽培を学ぶために海津市内にある「岐阜県就農支援センター」で、研修を受けることにしました。

 同センターで学んで最もよかったことは、同じ志を持つ同世代の仲間に出会えたことです。私のように親元就農者は、家族に農業を教えてもらえる一方で、他の農家と横のつながりを持つことが少ないため、就農後も相談し合える仲間を得たことは、私にとってとても大きなことでした。同期の仲間も近隣市町村で就農しているため、今も頻繁に情報共有をして刺激を与え合っています。また、土耕の知識がある上で養液栽培を学んだことで、肥培管理の違いやそれぞれの長所・短所を実感することができ、大変勉強になったと感じています。

養液栽培と土耕それぞれの良さを生かして栽培を両立

現在は、圃場の2割程度を養液栽培にし、土耕と養液栽培を両立しています。土耕はランニングコストが少なくて済みますが、下の方に実がなるため、作業時に体の負担がかかる点がデメリットでもあります。一方、養液栽培は背の高いベンチで栽培しているため体の負担は少ない点や、生育もコントロールしやすく同じ面積でも収量が多い点などがメリットですが、高所作業車による作業のため効率が下がることが課題です。それぞれで学んだことを活かして、よりよい栽培方法を模索しています。

 トマト1本1本を独立したポットで生産する養液栽培は、病害になった木だけを取り除けば病害の拡大を防ぐことができる点も利点ですが、養液栽培も土耕も雨が多いと病気のリスクが高くなったり、湿度によってカビが発生したりと、天候に左右されます。特に夜の保温は大切なので、湿度や気温、日射量、CO2濃度など見える化されたデータをしっかりと管理し、環境制御に注意しています。

 データで環境を管理していると、少しの違いでも変化が顕著に表れているため、試行錯誤の末に結果が出せた時は、おもしろみを感じます。データだけでなく、木の様子をしっかりと観察し、木が細くなってきたら温度を変えるなど、体感と知識を駆使して栽培をしています。また、作業効率を上げるために、下へ這わせるダクトを上に持ち上げて作業の邪魔にならないようにするなど、できるだけ楽に作業ができる方法を取り入れています。

海津のトマトを広めるため、若手農家3人で会社を設立

これからトマト農家を続けていくにあたり、単価が下がった際に収量を上げるしかない農業ではいけないと感じ、海津のトマトを多くの人に知ってもらってブランド力を高めるため、2021年8月に同じ海津市のトマト農家3人で「合同会社 スマイルふぁーむ」を設立しました。同年11月には直売所もオープンし、新たに栽培を始めたミニトマトと、トマトやミニトマトを使ったカレー、ドライトマト、スープ、トマトジュースなどの加工品づくりにもチャレンジ。お客様にも好評で、徐々に認知度も上がっています。

 今後は、栽培面積を拡大しながら出荷先や直売所も増やし、会社の発展に力を入れていきたいと考えています。自分の子どもや農家の後継者が「こんな農業をしたい」と思えるような農業経営をしていくことが、今の目標です。

OFF TIME

オフシーズンには趣味の海釣りへ!

昨年、一緒に仕事をしていた父が亡くなり、今はなかなか休みが取れなくなりましたが、7・8月のオフシーズンは休養期間として、趣味の海釣りへ出かけたりしています。新たに立ち上げた会社が大きくなり、従業員も増やすことができるようになれば、休みを計画的にとるなど新たな働き方にもシフトしていきたいです。