夫婦の歩幅で仕事を進められる農業が楽しい!

岐阜市 アスパラガス 親元就農

野村 将貴さん・清美さん

出身:岐阜県岐阜市
就農年月:2018年4月
栽培している農作物:アスパラガス(ウェルカム)
現在の圃場規模:17アール

インタビュー

Interview

自然と向き合う仕事に魅了されて農業の道へ

私が農業と出会ったのは、柿農家でのアルバイトでした。私は以前、選手としてスノーボードをしており、競技や練習ができない夏の間、地元・岐阜市にある柿農家を手伝うことになったからです。スノーボードをやっていたこともあり、自然と関わる仕事が好きだったため、働くうちに外で仕事をする農業の魅力を実感。「いつか自分で農家をやってみたい」と思うようになりました。

私は就農に向けて、まずJAぎふが行っていた就農相談を訪問。その時はつくりたい作物も決まっていませんでしたが、JAぎふでは就農支援としてアスパラ塾を開催しており、「近くに研修先がある」と教えてもらいました。それならばと何回か研修先を訪ねてみると、アスパラガスは栽培作業の負担や初期投資が比較的少ないことが分かり、本格的にアスパラガス農家を目指すことに。1年間、研修を受けた後に就農しましたが、約3年の間は研修先を手伝いながら勉強を重ね、2020年から自身でも栽培を始めました。就農時は、夏場にアルバイトをしていた柿農家さんに、昔いちごを栽培していた場所を紹介してもらい、現在の圃場を確保することができました。

毎日のていねいな管理を、今後の収穫につなげて

アスパラガス栽培では、1年目は株をしっかりと成長させる必要があり、収穫することができません。しかし、成長すれば他の野菜に比べて生命力が強く、長い期間安定して収穫することができます。私も今年で2年目を迎え、初めての収穫に漕ぎつけることができました。今年はまだ1本1本が細いですが、どのくらい収穫できるのか楽しみです。今後、成長していけば、徐々に太いものが採れるはずと期待しています。

アスパラガスを育てる際は、こまめに水をやり、乾燥を防ぐことが大切です。しかしその一方で、湿気が多いと灰色かび病や斑点病などの病気になりやすいという特徴もあります。成長しすぎると葉の部分が密な状態になって風通しが悪くなり、病気も広がりやすいので、アスパラガスの成長をしっかりと観察して適した剪定をし、晴れた日はハウスを開けて風を通す、雨が降ってきたらハウスを閉めて濡れないようにするなど、ていねいな管理が不可欠です。すべての葉に日が当たるように、折れた枝や枯れた葉を取る調整作業を行いながら、病気にかかった部分があれば、すばやく取り除けるよう、毎日注意深くアスパラガスと向き合っています。

自分のペースで働ける、充実した毎日

現在は、妻と2人で朝6時から作業をスタートし、市場へ出荷。その後、直売所にも持っていき、販売しています。夏はハウス内がすぐ高温になるため、昼前までに作業を終わらせなければならず、ハウス内の暑さとの戦いですが、今は自分たちのペースで仕事ができる毎日が、とても楽しいです。自分で作業の予定を立て、のんびりとストレスなくできる農業は、自分たちに合っていると実感しています。近所の農家同士も交流があり、堆肥を入れる土づくりの時などには、お互いに声をかけ合って助け合うなど、いい関係性も築けていると思います。

アスパラガスは1度成長すると、約10年は収穫をすることができます。今後は、10年後に新たな株へと植え替える時に向けて、別の場所にもハウスを増築することが目標です。夫婦でできる範囲で、少しずつハウスを広げていきたいと思っています。

OFF TIME

冬の間は柿を栽培し、夫婦で雪山へ行くのが楽しみ

10月までアスパラガスを収穫した後、冬場は最初にアルバイトをしていた柿農家を手伝って、3月くらいまで富有柿を育てています。3月からアスパラガスの栽培が始まると、なかなか休みを取ることができないので、冬の間は夫婦でスノーボードに行ってリフレッシュしています。