恒岡 和希さん
岐阜県瑞浪市生まれ
岐阜県農業大学校を卒業した後、いちご観光農園などを営む「有限会社廿原ええのお」に入社し、マイクロ野菜を担当。
経営概要
いちごをメインに野菜や果物を栽培する農業法人の新規事業として、マイクロ野菜を育てています。
マイクロ野菜とは、料理の飾り付けや付け合わせに使われる幼葉野菜。現在、約30種類をハウス内で栽培しています。
インタビュー
Interview
就農の動機を教えてください
高校時代、進路を考えた時に父から農業を勧められました。もともと田畑に囲まれた場所で生まれ育ったこともあり、自然も大好きだったので、調べていくうちに興味を持つようになりました。
しかし、農業の経験はまったくなかったため、基礎から農業を学べる農業大学校へ進学。大学校ではきゅうり栽培を専攻し、農業の専門知識を身に付けました。
就農までの経緯はどうでしたか
大学校時代に現在働いている農家で研修をさせてもらったことをきっかけに、卒業後はここで働こうと決めました。ちょうど私が就農する頃、新規事業としてマイクロ野菜に挑戦し始めており、私が担当することに。学校で習得したこととはまったく違うものだったので、それからマイクロ野菜について勉強を始めました。
就農しての感想
すべてが手探りの状態だったため、協力してくれるレストランといろいろな栽培方法を試しながら、試行錯誤を繰り返す毎日。しかし、味に厳しいプロのシェフたちからいただく要望や、喜んでもらえた生の声をダイレクトに聞くことができ、とてもやりがいを感じています。
マイクロ野菜は、香辛料のように印象深い味わいと、料理を彩る鮮やかな色合いが必要。そのために、水耕栽培よりも味が濃くなる土耕栽培を選び、それぞれ適正温度などが異なる品種に、細やかな調整を施しています。また、マイクロ野菜は鮮度が命。新鮮なままキッチンへ届けるため、発送方法にも考慮しながらパックのまま出荷できるようにするなど、日々工夫と改善を重ねています。
今後の目標を教えてください
最近は、シェフたちの中で築いてきた信頼が口コミで広がり、少しずつ受注が増えてきました。8種類から始めた栽培品種も、ニーズを聞きながら現在は30種まで増加。シソやゴマ、ソバなど日本特有の素材や、近年人気のパクチーなど、要望に対して細やかに対応しています。大規模農園と違い、様々な注文にすぐ応えることができるのが、小規模農園の強み。今後もその良さを活かして、展示会にも出展しながら、品種や出荷量を拡大していきたいです。
これから就農しようとしている人へメッセージ
私も農業の知識がまったくない状態からスタートしましたが、実際に体験した時から今も変わらず、農業に楽しさを感じています。農業は、自然を相手にする大変さがある分、「やりたい!」と思う強い気持ちがないと、勤まらない仕事です。だからこそ、楽しいと感じるプラスの気持ちを、一番大切にしてほしいと思います。特に私の仕事は、県内でもまだ少ない新しい分野。周りに先行事例もなく、初めてのことばかりですが、そうした新しい挑戦だからこその楽しさとやりがいを、毎日感じています。