岸 健幸さん

ロフィール

東京都生まれ
國學院高校、立正大学経済学部出身
就農の際、季節を問わず農業に取り組める気候と、自然に育まれたきれいな水が豊富な点に惹かれて移住。

経営概念

1.5ヘクタールの畑でえだまめを、40アールの畑でほうれん草を夫婦で栽培しています。えだまめの選別やほうれん草の袋詰めは、障害を持つ方の就労支援センターに委託をしています。

就農の動機

就農前は、東京でテレビCMなどの広告に関わる仕事をしていました。サラリーマンとして毎日の忙しさに追われていた時、2011年の東日本大震災を経験。スーパーやコンビニから食べ物が消えていく様子を見て、「自分の手で食べ物をつくろう」と考えるようになり、翌年、農業に適した場所を求めて岐阜に移住しました。

就農の経緯

岐阜に来て1年間は、トマト農家で雇用してもらい、農業を一から体験。しかし、40代で施設園芸に着手するのは経済的に難しいと感じ、翌年から露地栽培を学ぶために、えだまめとほうれん草を育てる農家で研修をさせてもらいました。ここで実践的な専門知識を学んだ後、41歳で自分の畑を持ちました。

就農しての感想

作物は天候などによって、毎年同じようにできることはありません。何年経っても、その時の状況を自分で判断し、自然と共存していく難しさを感じています。しかしその反面、自分のペースですべてを決められるところが、農業の魅力。私は「だからこそおもしろい!」と、いつも思っています。大変ではありますが、障害を持つ人が働く就労支援センターに選別や袋詰めをお願いして、農福連携を進めるなど、負担やストレスを減らす新しい働き方も取り入れています。

また何よりも、空の見えるところで働けることに、とても喜びを感じます。以前の仕事でも、外へロケに出掛けるのが大好きでしたし、こうして空の下で体を動かすことは、デスクワークより向いていると思いますね。

今後の目標

夢は、地球の裏側にいる人にも岐阜のえだまめを食べてもらうことです。マルチシートや防虫ネットを使い、極力農薬を用いず手間暇をかけてつくる岐阜のえだまめは、世界一の品質を誇れると思っています。えだまめは英語でも“edamame”と言われるくらい、海外でもポピュラーな野菜。世界のレストランで、自分がつくったえだまめが出ていたら、とてもおもしろいですね。そのために、まずは県内、そして全国の方に、岐阜のえだまめを知ってもらいたいです。

これから就農しようとしている人へメッセージ

「農業は大変」というイメージは強いですが、私は考え方次第だと思っています。自然相手なので、時には大きな打撃を受けることもあります。でもそれは「仕方がない」と思って水に流すことも大切。すべて「こうしなきゃ!」と細かな段取りを気にせず、いい意味での“適当”は必要だと思います。

最近、私も通っていた“農業やる気発掘夜間ゼミ”で就農の経験を話したり、就農希望者に出会う中で、農業に興味を持つ人は増えているように感じます。新規就農者にとって、研修で教えてもらえる師匠を持つことはとても重要です。しかし、その受け皿はまだまだ少ないのが現状なので、私もその1つになれればと思っています。やる気があれば、私のようにゼロからでもできる仕事なので、ぜひ若い人に増えてほしいですね。