自分が「おいしい」と思える
トマトをつくりたい

郡上市 トマト 独立自営就農

稲垣 達也さん

出身:岐阜県各務原市
就農年月:2019年4月
栽培している農作物:夏秋トマト(桃太郎)
現在の圃場規模:20アール(ハウス7棟)

インタビュー

Interview

学生時代に郡上の
トマト農家に出会い、移住を決意

 私は子どもの頃、トマトがとても苦手でした。しかし、母が品種改良された甘いトマトを食べさせてくれたことで、トマト嫌いを克服。その際、さまざまな農作物をつくることができる農業に関心を抱き、岐阜農林高校の園芸科学科に進学することを決めました。

 高校卒業後も、就農を目指して岐阜農業大学校へ進み、トマト栽培を専攻。勉強を続ける中で、郡上市のトマト農家さんと出会い、郡上市で就農したいと思うようになりました。そこで、郡上市でトマト農家を目指す人が研修を受けられる“JAめぐみの 郡上トマトの学校”で、より実践的な栽培方法や農業経営を習得。2年間の研修中は、トマト栽培の勉強だけでなく、郡上市で農家として生活を始めるための土地や家を探したり、地域で人脈をつくるなど、実際の移住や就農につながるいい準備期間となったと感じています。

 研修を終えた後、各務原市から移住し、いよいよ郡上市で本格的に就農。標高600mに位置する郡上市は、トマト栽培にて適した気候に加え、近年は農家の高齢化で借りられる農地も見つかりやすいのも魅力でした。はじめは15アールの畑に、5棟のハウスを建ててスタート。最近は、日持ちがしたり加工しやすいよう皮が硬めになっていたりと、トマトもさまざまな品種が出ていますが、私は皮が柔らかく甘味を感じられる、昔ながらのおいしいトマトをつくりたいと思い、“桃太郎”という品種を育てています。

農業大学校の人脈や地元農家の
つながりを活かして情報を収集

 就農してからは、とにかく毎日作業に追われ、がむしゃらに作業をしています。今の悩みは、収穫と管理、つまり販売と栽培の作業バランス。夏の繁忙期になると、次々に実がなるトマトの収穫に時間がかかり、管理作業ができないというジレンマがあり、1人では作業が追い付かないほど忙しくなります。より効率のいい方法で、収穫と管理の作業をバランスよくこなすことが、一番の課題です。収穫時期は早朝から深夜まで作業が続き、大変ではありますが、やはり大きな実をつけてくれたのを見ると、「明日も頑張らないと!」と力が湧いてきますね。

 トマトづくりにおいては、トマトの健康な状態を持続させることに、最も注力しています。そのために、成長具合を見ながら水や農薬、肥料の量を調整し、ていねいに余分な芽を摘むなど、できる限り手間暇をかけるようにしています。また栽培技術は、自分と同じく就農した学生時代の友人と情報共有をしたり、地域の農家さんに肥料や薬品について教えてもらうなどしながら、より良い方法を模索。最近ではSNSなどを通じて、他産地の農家さんが発信する情報を得ることもできるので、常に新たな情報を集めて試行錯誤を繰り返す毎日です。改善点も山ほどありますが、新しいことにチャレンジしながら、1つ1つクリアしていきたいと思っています。

移住予定の母と2人で、
さらに規模を拡大!

 15アール・ハウス5棟から始めたトマト栽培も、2年目にはハウス2棟を増築。3年目となる来年からは、さらにハウスを3棟増やし、畑を30アールまで広げる予定です。同時に、各務原市で暮らす母も郡上市に移住し、2人で家族経営をすることになりました。徐々に規模を拡大しながら収量や品質を高め、将来的には人を雇用できるようにしていきたいです。

また、小売店に並ぶトマトは、実が青いうちに収穫・出荷することが多いですが、やはり一番おいしいのは、うまみ成分のアミノ酸がたっぷり含まれる、真っ赤な完熟トマトです。その味を知ってもらうため、しっかりと熟したものを道の駅や直売所などに積極的に置かせてもらっています。最近では口コミで評判が広がって売り先が増えたり、トマトを求めて畑まで来てくれる人がいたりと、大きな励みになっています。今後も健康でおいしいトマトをつくり、多くの人に届けていきたいと思います。

コラム

就農研修拠点
JAめぐみの 郡上トマトの学校

JAめぐみの 郡上トマトの学校は、平成28年度から開校した夏秋トマト栽培の研修所です。郡上市在住の人だけでなく、郡上市へ移住して就農を希望する人も無料で受講でき、2年間の研修で実習を中心に栽培技術や農業経営を学ぶことができます。また、研修後の就農についても、農地の取得や資金調達などのサポートも行っています。
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