松永 佳己さん

ロフィール

岐阜県関市生まれ 
5年ほど約1反の畑を借り、独学で家族が食べる分の野菜などを栽培。農業の楽しさに魅せられ、子育てが一段落した後にJAめぐみのが「地域振興作物栽培実証圃場」で行う農業研修を1年間受けて就農。

経営概念

43アールの畑をもち、1棟のハウスで「濃姫」いちごを、その他の畑で「円空サトイモ」と「筑陽」というナスを育てています。また、柔らかくておいしい「ふわとろナス」や「大長ナス」などを栽培し、直売所などで販売しています。いちごはこれから3棟分の連棟ハウスを増築する予定です。

就農の動機

子どもが喘息を患っていたことから、体にやさしい食事をと思い、自分で約1反の畑を借りて、家族が食べる分の野菜を独学でつくり始めました。子どもと一緒に育てる野菜は、他では味わえないおいしさがあり、約5年間、栽培を続ける中で農業の楽しさを実感。「いつか子育てが一段落した時に、本格的に農業をやりたい」と思うようになりました。

就農の経緯

末っ子が幼稚園の年長になったタイミングで就農を志し、ぎふアグリチャレンジ支援センターが主催する「農業やる気発掘夜間ゼミ」に夫と次男の3人で参加。その後、さらに実践的な研修を受けたいと相談し、JAめぐみのが地域振興作物栽培実証圃場で行う農業研修を受けることになりました。そこでは、中濃地域の特産品の中から希望に応じて栽培したい作物の基礎を教えてくれるため、私はいちご・サトイモ・ナスの3品目を選んで就農しました。

就農しての感想

現在、4人の子どもを育てながら働いているため、毎日「あれもやりたかったのに」という思いで、一日が終わってしまうのが現状。とにかく時間が足りないことに悩む日々です。ナスやサトイモは、日が昇る前に作業ができるため、子どもが起床する前に帰宅することができますが、いちごは日が昇らないと色づきが確認できないため、時間のやりくりに苦労しています。

今は午後から仕事をしている夫が午前中の収穫を手伝ってくれており、農業に興味をもっている次男は、休みの日にサトイモの畑をすべて手掘りしてくれるなど、家族に協力してもらいながら、家事や育児と農業を両立しています。

今後の目標

家族の健康を考えて農業を始めた私にとって、作物は「自分が子どもに食べさせたいと思えるか」が重要な判断基準。そのため、極力農薬などを使わずに栽培することを心がけています。日々虫害などとの戦いが続きますが、これからも安心して食べてもらえる栽培方法や、土の栄養をしっかりと吸収する土耕にこだわっていきたいです。

新規就農したタイミングから、GAP認証にも取り組んでいます。温度管理や農薬残量のチェック、農薬の付着を防ぐ道具の配置などを通して、自分でも安全性が保たれる背景を把握でき、自信にもつながりました。また記録や整理整頓を行うことで、後から作業を振り返りやすくなり、作業もスムーズになりました。新規就農時からGAPの取り組みを自分の基本姿勢として身につけられたことは、今後農業を続ける上でとても意義があったと感じています。

これから就農しようとしている人へメッセージ

農業は力仕事が多いイメージが強いと思いますが、実際にやってみると、重労働よりも調整作業のような繊細な作業の方が多く、女性には向いている仕事だと思います。特にいちごは、管理作業やパック詰めなど、すべてにおいて細かな気配りや手作業が必要で、女性に適した作物です。

また、子どもが学校に行っている間に作業をするなど、労働時間を自由に調整できる点では、子育てをしながらでも働きやすい仕事だとも感じています。休日には、子どもを圃場に連れて行って作業をすることもでき、子どもたちもそれぞれに手伝ってくれています。今後は子どもたちが自由に使える畑を設けて、好きな作物を一緒につくりたいと思っています。農業も女性ができる仕事の選択肢の1つになり、これからもっと女性農家が増えていけばいいと思います。