岐阜市 ほうれんそう えだまめ 花き 親元就農

國井 理佐さん・麻衣さん

理佐さん/岐阜県岐阜市生まれ
国際園芸アカデミーを卒業後、生花店や生花市場に勤めて流通などを学び、母が行っていた鉢花農家を継いで就農。
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麻衣さん/岐阜県岐阜市生まれ
東京農業大学では花について研究を重ね、卒業後に帰郷した際、祖父がえだまめ、ほうれんそう、かぶを栽培していた畑を受け継いで就農。

経営概要

理佐さん/33アールの圃場で、カランコエをメインに、ジュリアン、葉牡丹など季節の花々を5種類ほど育てています。中でも私は、苗物の生産を担当しています。

麻衣さん/現在は70アールの畑で、えだまめを中心に、ほうれんそう、かぶ、ブロッコリーを栽培しています。

インタビュー

Interview

就農の動機を教えてください

理佐さん/親からは後を継いでほしいと言われたことはありませんが、母が鉢花の栽培をしている姿を見て、自然と自分も花の生産を受け継ぐことを志すようになり、岐阜農林高校園芸科学科に進学しました。

麻衣さん/私も子どもの頃から、家族で農業をする将来を思い描いていました。そのため姉と同様、岐阜農林高校園芸科学科に進学。その後、東京農業大学で、花の研究をしました。

就農までの経緯はどうでしたか

理佐さん/国際園芸アカデミーに通っている際に切り花に興味を持ち、卒業後は約4年間、生花店で勤めました。その後、実家を継ぐために2年の間、大阪の生花市場で働きながら花の流通や人気のある品種などを勉強した後、母とともに花の生産を始めました。

麻衣さん/大学では花について学び、花の生産に興味はあったものの、年々鉢花の需要が減って生産者も減少傾向にあり、難しさも痛感していたため、私は祖父の畑を継いでえだまめをはじめとした野菜栽培を始めることにしました。

就農しての感想

理佐さん/花は虫がつきやすく、病気にもかかりやすいため、最初は実践の中で試行錯誤しながら、肥料や消毒のタイミングを掴んだり、病気に対処する日々でした。特に苗物は経験がなく、近所の生産者さんに教えてもらって、独学で栽培方法を学びました。今はまだその年の気候に左右されて、なかなか自分が理想とするサイズや形に育てることができませんが、思ったとおりに成長した花をいい値段で売ることができた時は、とてもうれしいです。

麻衣さん/野菜の栽培は一から1人で挑んだチャレンジだったので、1・2年目は手探りの状態で、まったくうまくいきませんでした。3年目から周囲の農家さんが心配してアドバイスをしてくれるようになり、格段に状況が改善。時には自然災害の被害に遭うこともあり、難しさもありますが、もともと植物を育てて日々の成長を見るのが大好きなので、今はより良い栽培方法や病気の対処法を考えるのがとても楽しいです。また、収穫した野菜を食べてくれた人が「おいしい」と言ってくれる声を聞くと、やりがいを感じます。

今後の目標を教えてください

理佐さん/花にとって、成長を左右する最も大切な要素は土です。使用する土は、地域によって特色がありますが、もっと品質を高めるためにも、より良い土を探し求めて変えてみるなど、新しい挑戦をしていきたいと思っています。

麻衣さん/この地域は市街地のため、農地も生産者も徐々に少なくなっており、収穫量も減少しています。えだまめの産地として、この地域を盛り上げていくためにも、今年からさらに50アールの畑を増やし、収穫量を増やしていきたいと考えています。

Message

これから就農しようとしている人へメッセージ

岐阜県内の鉢花生産者で唯一の女性であり、岐阜地域のえだまめ農家の中でただ1人の女性です。特に岐阜地域は女性農家が少ないので、ぜひ多くの女性に新規就農をしてほしいと思います。

就農を目指す女性の中には、「体力仕事ができるか不安」という方もいるかもしれません。私たちも、最初はなかなか思うように体が動きませんでしたが、毎日の積み重ねで徐々に体力もついてきました。体力や技術、知識は徐々に蓄えられていきますが、まずその糧となるやる気があるかどうかが一番大切です。やる気をもってチャレンジする方がいれば、私たちも全力でサポートしていきたいと思っています。