春日井 淳也さん
岐阜県恵那市生まれ
大学校を卒業後、3年間就農に向けた資金や人脈の確保に努め、イチゴ農家の元で1年間イチゴ栽培を学んだ後に、地元恵那市にて就農。
経営概要
イチゴを育てる10アール分のハウスと、5アールの育苗ハウスを持ち、現在は「紅ほっぺ」を栽培しています。ハウスに隣接した直売所では、イチゴはもちろん、ジャムやアイスクリームを販売。土日にはイチゴ狩りも開催しています。
インタビュー
Interview
就農の動機を教えてください
高校の時、農業におもしろみに感じ、農業大学校への進学を決めました。農業大学校では、イチゴを専攻。イチゴ栽培は、始める際の設備に大きなコストがかかるため、できるだけ若いうちに始めたいと決意し、卒業後は地元の企業に就職して、就農資金を蓄えました。
就農までの経緯はどうでしたか
ある程度、就農資金を確保できた後、恵那市岩村町でイチゴを栽培する農家さんへ弟子入りし、1年間この地域でのイチゴ栽培を学ばせてもらいました。実家は元々、米をつくる兼業農家だったため、田んぼの一部を転作してイチゴハウスを設け、24歳の時に就農しました。
就農しての感想
農業は、頑張った分だけ結果として返ってくる点がやりがいにつながりますが、その反面、失敗も収益へとダイレクトに反映してしまいます。今年も、植え付けのタイミングが早すぎてしまい、本来は12月中旬から収穫をしたいところでしたが、年明けからしか収穫することができませんでした。元々、寒さが厳しいこの地域ではイチゴ栽培は難しいので、日々試行錯誤を繰り返しています。
イチゴの収穫は12月~5月と約半年間続き、それ以外の期間も育苗をはじめ、一年中作業が続きます。毎日、朝も早く大変な仕事ではありますが、私は1人で黙々と仕事をするのが好きなので、農業には向いていると感じています。
今後の目標を教えてください
今年で就農3年目を迎え、収穫量も目標以上の量を達成しています。最近では、ケーキ屋さんや結婚式場など、直接取り引きするお店も増えてきました。また、寒さの厳しい山岡町では、ゆっくりと成長することで、イチゴはしっかりと糖分を蓄えてくれます。そのおいしさが口コミで評判が広がり、全国からも注文が来るようになっています。今後も、さらに多くの人に自分のつくったイチゴを味わってもらえるよう、販路拡大に努めていきたいです。
これから就農しようとしている人へメッセージ
農業は、作業が大変にも関わらず、お金を儲けるのがなかなか難しい仕事です。そのため、やはり「農業が好き」という強い思いが必要だと思います。特にイチゴは、野菜や果物の中でも、非常にコストがかかる作物です。私自身も就農資金を貯めていたものの、初期投資としてお金を借りる必要があり、今も7年間で完済することを目標にしています。農業は、大きなやりがいや喜びがある反面、やはりそうした困難やリスクもあることを認識し、しっかりと覚悟をもってチャレンジすることが大切だと思います。