野村 嘉則さん・美珠季さん

ロフィール

京都府生まれ 京都南八幡高校出身
東京で勤務していた時に農業に興味を持ち、新規就農者向けのイベントで知った高山市の就農体感ツアーに参加。高山市に移住し、農家のもとで2年間、夫婦で研修を受けた後、独立して就農。

経営概念

現在は、30アールの圃場を借り、夏秋トマトを栽培。品種は、麗月とももたろうを1:2の割合で育てています。私は消毒や水・肥料の管理、妻は脇芽取りなどの誘引作業を主に担当。冬の間は、畑を借りている方が行っている林業を手伝っています。

就農の動機

以前は植木屋で働いており、土や植物に触れる楽しさを感じていました。その中で、成長した植物を剪定するだけでなく、一から作物を育てることにも興味を持ち、就農を志すようになりました。妻とも相談し、まずは畳2畳分ほどの農園で野菜作りを始めながら、本格的な就農の道を探りました。

就農の経緯

就農するための方法がまったく分からなかったため、まずは新規就農を目指す人を対象としたイベントに参加。その際に高山市のブースで担当者の熱意やサポートの手厚さを感じ、1泊2日の短期研修に行ってみることにしました。研修では、私たちと同様に夫婦で独立を目指す方にも出会い、就農への意欲が高まりました。翌年には、同市で行われた2泊3日の就農体験ツアーに参加し、これまで何人も県外からの就農者を受け入れてきた農家さんのもとで、2年間の研修を受けて独立しました。

就農しての感想

研修2年目の時、研修先の農家さんから20アール分の栽培を任された経験があったため、そこから少し面積を増やして30アールからスタートしましたが、畑の土が違うだけでまったく勝手が違い、慣れるまでとても苦労しました。

1年目は、夏場の収穫に追われて管理作業がおろそかになったことで、トマトの価格が上がる9~10月の収量が落ちてしまいました。反省点も多かったですが、それを1つずつ解決していくプロセスにも楽しみがあります。常に決断の連続なので、夫婦で意見が対立することもありますが、しっかりと実ができて喜び合えることは、やはり何にも代えがたいと思います。

今後の目標

丹生川は全国でもトップレベルのトマト産地ですが、特に私たちが圃場を持っている辺りは、その中でも収穫量上位を誇る農家さんが多く、畑の美しさや作業のタイミングなど、参考になることがたくさんあります。1年目は計画以上の収量を得ることができましたが、一緒に新規就農した同期はもっと収穫しているので、周りの農家さんにアドバイスをもらいながら、それに追いつけるように頑張りたいと思っています。

また、同じ農家さんで研修した先輩や後輩も近くで就農しているため、時々師匠のもとに集まって情報交換をする機会もあります。協力しながら切磋琢磨できる環境があることで、いい刺激をもらっています。

これから就農しようとしている人へメッセージ

時々、「人間関係を築くのが苦手で、1人でできる農業に興味をもった」という話を聞くことがありますが、実際に経験してみると、農業ほど人との関わりが必要な仕事はないと感じています。どんなことも人の助けやアドバイスがないと、うまくはいきません。人とのつながりを大切にできる人が、農業に向いているのではないかと思います。

また、移住して就農するなら、現地へ何度も足を運んでみることをおすすめします。私たちも当初は覚悟をもって移住してきましたが、暮らしてみると思った以上に不便さはありません。東京に帰った時も、飛騨の自然が恋しくて、すぐに帰ってきたほどです。飛騨の方はとてもあたたかい方ばかりなので、こちらも受け入れてもらうための姿勢を持っていれば、いい関係を築くことができると思います。